問11
解答: 1,2
Adiison病=慢性副腎皮質機能低下症のこと。
1,4,5:
副腎皮質ホルモン(アルドステロン、コルチゾール、副腎アンドロゲン〔DHEA、DHEA-S〕)が欠乏することで色素沈着、易疲労感などの症状がおこります。
副腎皮質ホルモン(アルドステロン、コルチゾール、副腎アンドロゲン〔DHEA、DHEA-S〕)は低値、これらの代謝産物である17-OHCS、17-KSも低値となります。
副腎皮質ホルモンが低下しているため、ポジティブフィードバック調節が働き、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が上昇します。
2,3:
副腎皮質ホルモンの1つ、アルドステロンは電解質代謝調節の働きがあり、Naイオンの再吸収促進、Kイオンの排泄促進をさせます。
Adiison病ではアルドステロンがていかするためこれらの働きが弱まり、血清ナトリウム低値、血清カリウム高値となります。
問12
解答: 5
悪性中皮種:胸膜の中皮細胞から発生する悪性腫瘍で、原因のほとんどはアスベスト(石綿)です。
特徴として胸水ヒアルロン酸が高値となります。理由として、腫瘍組織中にヒアルロン酸を多く含むためと思われます。
【参考文献】
・シスメックスプライマリケア,2023,ヒアルロン酸 検査(https://primary-care.sysmex.co.jp/speed-search/index.cgi?c=speed_search-2&pk=134)
問13
解答: 3
成人T細胞性白血病(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染により引き起こされる特殊な白血病/リンパ腫です。
国試に出てくる造血器腫瘍と関連のあるウイルスはヒトT細胞白血病ウイルス1型のみなので、これ1つ覚えれば問題ないでしょう。
問14
解答:2
巨赤芽球性貧血は骨髄に巨赤芽球を認める大球性正色素性貧血です。
原因は、DNA合成に必要なビタミンB12または葉酸が欠乏することで核の成熟に障害が起きるためです。
核は未成熟(大きい)まま、細胞質は成熟していく(拡大する)ため、核が大きく、細胞質が拡大した巨赤芽球が出現します。
問15
解答:5
有機リンは殺虫薬に含まれる成分です。
有機リン、カルバメート系殺虫薬はコリンエステラーゼの活性を阻害する抗コリンエステラーゼ作用を示します。そのため、血清コリンエステラーゼ活性は低下します。