問1
解答: 2、5
OTC検査とは医師の処方箋なしで薬局等で購入できる一般用検査薬のこと。
現在(24年5月)、OTC検査薬として国に承認されているものは以下の6つです。
・尿糖 ・尿蛋白 ・尿中hCG(妊娠検査薬) ・尿中LH(排卵日予測検査)
・新型コロナ ・新型コロナ+インフルエンザ
血糖は自宅で測定できる血糖測定器が多数発売されていますが、針を用いる点や感染性などの問題点から現在は承認がおりていません。
【参考文献】
・一般社団法人日本臨床検査薬協会・日本OCT医薬品協会,2023,「OTC検査薬」 一般原則の見直しについて, 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001142363.pdf)
問2
解答: 3、4
- 誤り
PT:クエン酸ナトリウム
EDTAは凝固反応過程で使うCaイオンをキレート除去してしまうため、使用できません - 誤り
ALP:抗凝固剤なしのプレーン採血管 - 正しい
- 正しい
- 誤り
血小板:EDTA-2K
代表的な抗凝固剤は以下の通りです。
問3
解答: 5
- 誤り
精密さ:測定値のばらつきの程度のこと
正確さ:真の値からの偏りの程度 - 誤り
マルチルール管理図法は管理試料を用います - 誤り
2シグマ=2SD(標準偏差)のことです。
全体のうち±1SD以内が約68%、±2SD以内が約95%を占めています。
よって、20回に1回外れ値が出現することになります - 誤り
シフト現象:9点連続して平均値(x)の片側に偏る現象
トレンド現象:6点以上連続して徐々に上昇または下降する現象 - 正しい
X(bar)-R管理図法:X(bar)管理図は日間の偏り、R管理図は日内のばらつきを管理できる
問4
解答:5
- 誤り
免疫学的検査法は特異性が高いため、検体採取前の食事制限は必要ありません。 - 誤り
検体は冷蔵で保存します。室温、特に30℃以上の高温下では時間の経過とともにヘモグロビンの安定性が失われ、偽低値を示します。
【参考文献】
一般社団法人広島市医師会臨床検査センター(http://www.labo.city.hiroshima.med.or.jp/qanda/1396.html) - 誤り
化学的測定法は検出感度がかなり高く、上部・下部消化管出血の検出に優れていたが、ペルオキシダーゼ反応を起こすもの全てを検出してしまうため食事・薬剤での偽陽性が多かった。そのため現在はほとんど行われていない。
免疫学的測定法は化学的測定法に比べ検出感度は劣るが、ヒトヘモグロビン=潜血を特異的に検出でき、食事制限が必要ないためか下部消化管出血のスクリーニング検査として普及している。
【参考文献】
医学会新聞,2011,便潜血反応 化学的方法(グアヤック法,オルトトリジン法)/免疫学的方法(高木康),医学書院ホームページ(https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2011/PA02940_05) - 誤り
免疫学的測定法では上部消化管出血は検出できない。 - 正しい
出血していても血液が付着していない部分を採取すると陰性となってしまうため、便の表面をまんべんなくこする必要があります。
問5
解答: 4
- 誤り
連日採取する必要はありません。
しかし、健常人でも日差変動がみられるため3ヵ月以内に少なくとも2回行います。 - 誤り
人肌程度(37℃)に保温した状態で保存します。
低温下では運動率が低下します。 - 誤り
採取後30分以上経過後に行います。
精液が液状に融解し、均一化してから検査を行う必要があるためです。 - 正しい
運動率は時間の経過・温度の低下とともに低下します。
精液が液状化する30分後、かつ1時間以内に検査を行う必要があります。 - 誤り
施設により差はあるが、1,000万~6,000万/mLです。
問6
解答: 1
以下、代表的な寄生虫卵のサイズ比較表です。
回虫卵が基準とされることが多いため、回虫卵より大きいのか、小さいのかを覚えるといいでしょう。
問7
解答: 3
- 誤り
肝吸虫 第1中間宿主:マメタニシ
→第2中間宿主:淡水魚 - 誤り
単包条虫 中間宿主:ネズミ - 正しい
宮崎肺吸虫 第1中間宿主:巻貝
→第2中間宿主:サワガニ - 誤り
日本住血吸虫 中間宿主:ミヤイリガイ のみ - 誤り
日本海裂頭条虫 第1中間宿主:ケミジンコ
→第2中間宿主:サクラマス
問8
解答: 3,4
- 誤り
機種間差:同じ試薬を用いても測定機器の機種の違いにより、測定値に違いが出ること。
異なる機種同士の互換性を確認しています。 - 誤り
室内精度:同一検査室内で同一の管理試料を測定したときの結果の精度のこと。
同一検査室内において、違う測定機同士で結果に差が出ないか(精密度)を確認する。 - 正しい
- 正しい
- 併行精度=同時再現性のこと。
同一の検査室、日時、装置などをもちいて短期間に連続で測定し、精密度を評価する代表的な方法。
問9
解答: 5
- 誤り
緑色便 : 小児や緑黄色野菜を多量に摂取したときに見られます。
便が強く酸性に傾くことで、ビリルビンがビリベルジンとなり緑色を呈します。
また、葉緑素製剤*の服用でも見られます。
*葉緑素製剤=クロロフィルと呼ばれる食品添加物。主に食品を緑色に染める目的で利用されます。 - 誤り
灰白色便 : 胆汁の流れが低下していることで起こります。
考えされる疾患は・急性肝炎 ・総胆管結石 ・胆管癌 ・膵臓癌 などです。
胆汁に含まれるビリルビンが腸内細菌によってウロビリンに変化し、便を茶色くしています。
胆汁が腸内へ分泌されなければ便が着色されず、灰白色になります。
ほかに、バリウム検査を受けた際にも見られます。 - 誤り
黒色タール便:上部消化管出血、鉄剤投与時に見られます。
上部消化管出血では血液が胃酸や長時間空気に触れることで酸化し、黒色を呈します。
鉄剤投与時は吸収しきれなかった鉄分により黒色を呈します。 - 誤り
米の研ぎ汁様便:コレラが重症化した場合に見られる。 - 正しい
いちごゼリー状便:アメーバ赤痢の主症状の1つとして見られます。
問10
解答: 4
円柱内に赤血球が3つ以上封入されているため、赤血球円柱です。
赤血球円柱が出現している場合、腎臓のネフロンからの出血を意味します。
考えられる疾患として ・IgA腎症 ・紫斑病性腎炎 ・急性糸球体腎炎 ・膜性増殖性腎炎
・ループス腎炎 ・ANCA(抗好中球細胞質抗体)関連腎炎 などが挙げられます。